塾長ブログ

2023.09.06

合宿感想文(塾報8月号より)

○19回目の合宿を8月16日~18日に行いました。15日は台風が近畿地方を直撃し、16日の往路では京都縦貫道が一部通行止めになったことから予定より1時間ほど到着が遅れるハプニングがありました。

 合宿では長時間練習を通じて、『やりきる』経験を積みます。一人では乗り越えられないことも仲間がいると乗り越えられることも経験します。
 練習が厳しい分、練習の合間の食事や休憩時間、レクリエーションがとても盛り上がります。参加者の感想文を掲載しますので、そのあたりの雰囲気を感じてみて下さい。(提出順で掲載)
☆小6女子
初めての参加で、合宿に行くまではドキドキしていましたが、合宿の目標にしていた友達もたくさんできたし、練習はとてもしんどかったけど、その分、練習以外の時間でみんなでカードゲームをしたりご飯をたべたり、夜はお話しをたくさんできたことがとても楽しかったです!
あと計算リレー??みたいなやつでカツラをかぶってやるゲームがとてもおもしろかったです!! 普段話したことのなかった人と仲良くなれたし、先生たちともたくさんお話しできて、参加してとても良かったと思いました。あっという間の2泊3日でした。ありがとうございました。
☆小6女子
私は合宿が2回目で前回は年上の中学生が班にいたけど今回は班長を任されました。班でも年下がいたので、最初は何から話したらいいのか分からなかったけど、一緒にいる時間が長くなるにつれ、だんだんと仲良くなっていったので友達もたくさん出来ました。そろばんの練習は何十時間もやり、疲れたけど、カツラをかぶってのリレーなどの面白さを取り入れた練習があって楽しかったです。お楽しみ会では、誰の事を指しているのかのゲームやジェスチャーゲームなどをして楽しかったです。花火は海のすぐそばで打ち上げ花火や手持ち花火をしたりちょっとしたゲームをして楽しかったです。今回の合宿で友達もたくさんできたし、いろいろ遊んで楽しい3日間でした。来年の合宿も行きたいです。
☆小6男子
私は、この合宿で仲間の大切さを知ることが出来ました。今回17時間練習すると知ってそんなに続けて練習できるか心配でしたが、仲間と共に楽しく、最後までやり遂げることかできました。さらに、今までそこまで話したことのない人たちとも話すことができ、仲良くできました。そのおかげで、自由時間ではみんなと楽しく遊べ、食事の時は会話が弾みました。合宿では私の最高点をを取ることができませんでしたが、合宿での練習を、次の練習、本番に生かし、今度こそ最高点をとりたいです。三日間楽しいこともあれば悔しいこと、ハプニングも少しありました。ですが、たくさんの思い出と仲間の絆ができました。このことを忘れずに、心に刻んでいきたいと思いました。あっという間の三日間でしたが、お世話になりました。
☆小6男子
この合宿では、最初喋ったことがない人がたくさんいてとても緊張していたけど、みんな仲良く喋ってくれたり遊んでくれたりしたので良かったです。ご飯も量は多かったけど、とても美味しくてそろばんの練習もはかどりました。そろばんの練習も合宿だからいつもよりきついと思っていたけどチーム戦だったり、かつらやカッパの被り物を被ってリレー戦をしたり4、5時間の練習が全然きつく感じませんでした。他にもお楽しみ会や花火お土産の買う時間もあって楽しくて3日間の合宿が一瞬に感じました。また行きたいです。
☆小3女子
私は、4ケタが暗算で出来るようになりたいという目標で合宿に行きました。初めての合宿で練習はきつかったけれど、かけ暗算が105点取れた事は良かったです。そして、4ケタの計算を先生から分けて計算するやり方を教えてもらい、3ケタ1ケタで計算したら答えが合うようになったので目標を達成する事ができました。初めての合宿で不安だったけれど班のみんなが優しくしてくれたので嬉しかったです。みんなでお楽しみ会や、ゲームをする時間も楽しかったです。来年もまた合宿に行きたいと思います。
☆中1男子
今回の合宿で、一番楽しかったのは、中学生部屋です。皆でいろんな話をしたり、将棋やオセロをして、とても楽しかったです。オセロで、「津崎最強伝説!」が始まった次の戦いで、林くんに負けて、すごく悔しかったです。去年、部屋が一緒だった子と、別々になったりしたけど、他の部屋でかくれんぼや、トランプなどで、一緒に遊べて嬉しかったです。練習の時は、とても集中できて、目標にしていた700点を超えることができました。とても嬉しかったし、そこからさらにやる気が出ました。本番も合宿の時のような実力をだせるように、大会までの練習を大切にしたいです。お楽しみ会では、今回もジェスチャーゲームをして、残念ながら優勝はできなかったけど、とても楽しかったです。来年も参加したいです。
☆小5女子
わたしは、今回の合宿で初めて話す子が3人もいたのでちゃんと話せるか不安だったけど、気楽に話しかけてくれたので話しやすくて、すぐに友達になれたように感じたので良かったです。休憩時間にはみんな同じ部屋に集まってトランプや人狼ゲームをしていました。練習はとても大変で疲れたけど最高点が出た時はとても嬉しかったです。ご飯の量がとても多かったので全部食べられるか心配だったけど大体は食べられたので良かったです。
☆中2女子
今回の参加で5回目の合宿でした。一番最初に参加したのは小学2年生の頃です。その時は私が一番最年少で、お兄ちゃん、お姉ちゃんに囲まれて幸せの3日間を過ごしていました。ご飯はほとんど食べてもらい、朝は起こしてもらったりして今考えてみるとたくさん迷惑をかけていたと思います。今ではほとんどの人が年下で、全体を見なければならない立場になりました。また、今回の合宿で初めて女子キャプテンという責任の大きい役割を任されました。それを意識し、いままでよりも友達が多くできて、話す機会も増えた合宿になりました。また、全大阪の練習では、合宿前までは点数が上がったり下がったりを繰り返していたけど、合宿では安定して800点台を取り続けることができました。最後の練習では目標は900点だったけど、今までの最高点の875点を出すことができました。今年はあっという間に終わった合宿になりました。来年も合宿に行けるようにしたいです。
☆小5男子
ぼくは、今回2回目の合宿に参加しました。合宿に行って楽しかったことは、最高点を取ったことです。1日目は、みとりと見暗が悪くて810点くらいだったけど、2日目になると点数が良くなって870点を出せてよかったです。2つ目は、今までしゃべらなかった友達としゃべるようになったことです。帰りのバスで友達がかえ歌を歌ってもりあがりました。レクリエーションでは、人間そろばんはむずかしくてぜんぜんできなかったです。花火の時、手持ち花火の燃えかすがくつに付いて、燃えそうになったのでびっくりしました。
☆高1男子
私はこの合宿で多くのものを得ることができたと思います。小学生以来、なかなか合宿に参加できず、久しぶりの合宿で緊張していました。また、合宿のキャプテンという大切な役割を任せてくださり、今までのお世話になったキャプテンと比べると差が大きすぎて、こんな自分で大丈夫なのかと思うと心配で前日あまり寝れなかったです。しかし、実際合宿に行ってみると、周りの参加している生徒さん達や先生方のカバーがあり楽しく過ごすことができました。また、そろばんのことでいうと、正直、最近練習不足により自信がなくなっていましたが、合宿中思うように点数が取れなくても、合宿が終わる頃になると寂しい気持ちになり、そろばんの楽しさに気付かされました。このようなことから、そろばんをまたチャレンジしたいと思うようになりました。今回、合宿に参加させてくださり、キャプテンという役割を与えてくださった先生方、私を支えてくださった生徒さん達に感謝でいっぱいです。
☆小6女子
私は、今年初めて合宿に参加させてもらいました。私はソロバンで同じ学校以外の友達がいなかったので、バスや部屋でみんなと話せるかが不安でしたが、バスの中では隣の人や前の席の人と楽しく話せたし、部屋では、隣の部屋まで遊びに行ってみんなと友達になることが出来ました。練習は、ほとんどずっとあって、疲れました。でも、チームで分かれて競争したのが楽しかったし、最後は下がってしまったけれど、最高点を50点くらい更新できました。いつもソロバン教室でするのとは少し違って、時間がたつのがとても速く感じました。2日目の花火の時に、いろんな花火をみんなでしました。友達の花火から火をもらったり、あげたりして、たのしかったし、その後のお楽しみ会もクイズやジェスチャーゲームで盛り上がって、楽しかったです。いろんなことがありましたが、とても楽しかったので、また来年も行きたいです。
☆小5男子
僕は今年で2回目の参加でした。僕は合宿に行く前、練習で点数が上がらないので、もうちょっと上がりたいなと思っていました。練習の初日は、普段と同じぐらいの点数でしたが、二日目で今までよりも合計点数が増え、間違えた問題も少なくなり、とても嬉しかったです。今年の合宿で、仲のいい友達がいなかったので少し不安でしたが、上級生が声を掛けてくれて、一緒にトランプ、かくれんぼもできて仲良くなれました。合宿の成果が大会でも出たらいいなと思います。来年も合宿に行きます!
☆中2女子
私はこの合宿で最高点を取るという目標を立て、その目標を達成できたことが嬉しかったです。また、これからもっと上を目指し、新たな目標を立てれるように頑張りたいと感じました。この合宿では皆とても仲良くなることができ、お楽しみ会や花火、食事など色々な学年が関わることが出来たのでとても良かったです。自分から積極的に話して、意外な一面やその人の良いところを沢山見つけることができたのでよかったと思いました。充実した3日間でとても楽しかったです。
☆小5男子
私は、この合宿が二回目の参加になります。去年は初めての参加で、分からない事が沢山あり、出発前はやり切れるのか不安だったけど、そろばんの練習以外にも楽しい事が沢山ありました。今回は流れを分かっていたので不安は全くなく、合宿の日が来るのが待ち遠しく思っていました。今回の合宿で私が一番楽しかった事は、二日目の夜にしたお楽しみ会のジェスチャーゲームです。なぜなら、班のみんなで協力して一位になれたからです。その上、すごく盛り上がりました。そろばんは、初日から色々な種目で最高点が出て、二日目には総合点でも取った事のない点数を取る事が出来ました。嬉しかったです。新しい友達も何人か出来たので、沢山しゃべってとても楽しい合宿になりました。来年もまた参加できたらいいなと思います。
☆小6男子
初めは、練習がけっこう大変で長時間できるか不安だったけど、実際は思ったより集中できて、長時間があっという間に終った感じがしました。合宿で練習した時に、点数が上っていることがわかりました。特にわり暗算が他の種目より点数が上っていました。わり算も点数が上っていました。合宿のご飯もおいしかったです。休けい時間はトランプで遊んでいました。すごく楽しかったです。来年もまた参加したいです。
☆小6女子
3日間ありがとうございました。今年2回目の合宿だったのですが、去年と比べていろんな思い出を作ることのできた合宿になりました。目標だった友達も作ることができてとてもうれしかったです。去年と比べると練習も集中することができて、チャレンジャーズでは最高点の865点を取ることができてとてもうれしかったです。来年もよろしくお願いします!!
☆小6男子
僕は合宿二度目の参加ですが,前回よりも内容の濃い練習ができ、そろばんがより一層上手くなったと思います。種目別でも合計点でも最高点が出たので嬉しかったです。特に印象に残ったことはそろばんでのリレーです。初めてのことで少し緊張していましたが,納得できる結果だったのでよかったです。練習の間の自由時間に部屋の中でトランプなどをしました。でも、一番楽しかったのはかくれんぼです。自分は鬼をやって、みんな予想外のところに隠れていたので驚きました。今回の合宿とても楽しかったので次回も参加したいと思います。
☆小6女子
私は、初めてそろばんの合宿に参加しました。あまり喋ったことのない人と、たくさん喋って友達になれたりできたので、嬉しかったです。また、たくさんの人とカードゲームなどをして遊んだので、とても盛り上がって面白かったです。花火は、先生たちがたくさん準備をしてくれて、打ち上げ花火を、たくさん見ることが出来て、楽しかったし、嬉しかったです。手持ち花火は、色々な色があってとても綺麗でした。また、みんなとやるのもとても楽しかったです。そして、そろばんでは問題を解き終わったら、ボタンを押すものがあって3位か、4位だったので少し悔しかったけど、みんなが解いたりするのがとても早くてびっくりしました! 三日間は、すごくあっという間でしたが、いい思い出になって良かったです!
☆小6男子
初めての合宿で、喋ったことがある人がいなくて不安なこともあったけど、最初の係決めの時に話しかけてくれて、安心しました。海幸について、すぐにそろばんの練習が始まりました。連続でチャレンジーズをするので、疲れることもありました。その日の予選の練習の見取り算の時に全員予選通過をした時に制限時間がいつものそろばんのスピードどだと間に合わないなと、思って暗算でやると、正解だったので次の日試してみると最高点が20点あがりました。試してよかったなぁと思いました。自由時間の時もトランプやかくれんぼなどをしているうちに班の人とも仲良くなってきて嬉しかったです。最終日の練習ではかけ暗算の最高点が最後に出て、良かったと思いました。思ってたより3日間があっという間に終わってしまい悲しい気持ちもありましたが、合宿の最初に言った目標が達成できたと思います。来年も行けたら行きたいです。
☆小4女子
私は合宿に参加するのが2回目ですが、前回の合宿より今回の合宿の方が精一杯取り組めたと思いました。なぜなら、1回目の時は最後の練習の時にクタクタで死にそうになっていたけど、今回は最後の練習の時は諦めずに問題を解くことができたからです。また、練習する時は集中して、遊ぶとには思いっきり遊んだり、みんなに優しくできたりして、テキパキした行動をすることができました。私は今回の合宿で合計750点以上とる!という目標で、合宿中には達成できなかったけど、合宿後の初めての練習では、合計765点をとることができたので少しは合宿の成果を発揮できたかなと思いました。来年の合宿でもパワーアップした自分で過ごしていきたいなと思いました。
☆中1男子
私は今回の合宿で、男子キャプテンと班長を務めさせていただきました。去年の合宿は初参加で、キャプテンや先輩方に頼りっぱなしで、迷惑をかけながらも支えられていた立場でした。ですが今回は合宿が二回目で、後輩達を引っ張っていく立場になりました。今年の合宿は初参加の人が多く、私の班も半数は初参加でした。その為私は、その子達に沢山話しかけ、場を和ませる様に意識して過ごしました。また、今年は中学生という事もあり、レクレーションで自分達がみんなを楽しませる立場になりました。中学生同士でどうすればみんなが楽しんでくれるのかアイデアを出し合い、考えました。その時、去年の先輩方もこんなふうに私達が楽しめる様に考えてくださっていた事に気付き、感謝の気持ちが生まれました。とても大事な役割を任され、三日間どんな合宿になるのか不安もありましたが、最終的にはメンバー全員が仲良くなれたとても楽しい合宿になったと思っています。こんなに楽しい合宿を今年も開催してくださった先生方、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
☆小6女子
私は今回でそろばん強化合宿の参加は2回目になりました。前回の合宿では新型コロナウイルスの影響で制限があったものの、今回は解除され前回とはまた違った雰囲気の合宿でした。今回は班長にもなり、班のみんなをまとめたり大変な事もありましたが班長らしく3日間を過ごす事が出来たかなと思います。1日目の練習では2回目の参加とはいえ畳での練習には慣れていないので、あまり集中することが出来ずいい点数を取る事が出来ませんでした。午後の練習では少しずつ感覚を取り戻してきたのか、いつも通りそろばんの練習に取り組む事が出来ました。2日目の練習では1日目の練習よりもいい点数を取ることが出来るようになってきました。午後の練習では1日目の練習の成果が出たのか最高点と同じ点数をとる事が出来ました。3日目の練習では種目毎の点数が取れるようになっていき、最高点の890点を取ることが出来ました。また計算スピードが徐々に速くなっていき、いつもは最後まで解けなかった見取り暗算も全て解けるようになりました。今回の合宿で苦手だった種目の点数も取れるようになり、少しは成長出来たかなと思います。この合宿での練習をこれからの練習や大会に活かしていけたらいいなと思います。
☆小6男子
 ぼくは去年に続き、今回2回目の参加でした。今回の目標は楽しむ時は楽しんで、そろばんをやる時は集中してやる事でした。花火やお楽しみ会、友達と遊んだ時は全力で楽しんで、そろばんの時は集中して取り組む事ができました。その結果、合宿中にずっと目標にしていたみとり暗算が150点(満点)取れました!今回の合宿では目標も達成できたし、いろんな友達と遊べたり、とても楽しかったです。来年もあったら、また行きたいです。

2023.09.06

人間力を高める(塾報6月号より)

○6月25日実施の珠算能力検定1~3級や暗算検定は満点に対して8割以上の得点で合格します。

 試験における関心はやはりなんといっても「合否」です。ギリギリであっても合格はまぎれもないものですし、おしくもあと1問題というところで不合格だとしても、不合格はやはり不合格です。たった5点の差で結果においては雲泥の差となってしまいます。
 しかしながら「実力を伸ばす」という一点に絞って考えるならば、私たち指導者の注意は実は合否よりも「失点」に向かわなければなりません。
 どんな間違いがどういった場面で現れてくるのか。以前よりも改善されているのか。間違いの種類が減少しているのか横ばいのままなのか。
 試験は、終わった瞬間から課題がわんさかと沸いてくるのです。
○さて、間違いには、再現性のあるものと再現性のないものとがあります。
 再現性のある間違いとは、間違えの理由が明確なものです。そろばんを使う計算では「思い込みによる珠の操作ミス」「桁数ミス」「問題の見間違い」などが挙げられます。再現性のない間違いとは、速度を上げて計算したことによって他の珠を触ってしまってのミスなどがあります。
 あんざんでの間違いには上の例に加えて「写像ブレ」が加わります。頭でそろばんの珠の動きを想像するのがあんざんですが、たとえば「2273」のようなとなりの珠が似ているようなものが計算途中に出てくると区別がつきにくくなってしまって、1違いや5違いがよく発生します。速度を上げて計算すると確認作業をする時間が無くなってしまってこの間違いが多くなる傾向があります。
 3桁の数字を10個たし引きするような問題だと珠の動きは100回を超えてきます。100回のうち1回でも写像ブレが発生すると誤答になりますから正解を得るのはかなり大変な作業になります。
 再現性のない間違いはそれほど気にする必要はありませんが、再現性のある間違いとあんざんの写像ブレは間違い直しをきちんとしなければなりません。
 その際に大切なことは、間違った答えを正しい答えに直すという作業でとどまらず、間違いの意味を理解して次の間違いを防ぐところまで意識を高め、考察することです。この作業があって初めて自発的な成長が見られるようになります。間違いには成長の種が一杯詰まっているのです。
○点数報告の時に、答案を確認する場合とそうでない場合とがあります。合格点が出ているか否かという基準で分けているのではなく、過去の平均点や最高点とその日に報告された得点から今まで積み重ねてきた誤算がどの程度改善しているかを判断して確認の必要性が決まります。
 答案を差し出す際のちょっとした仕草、点数報告の声の大小やハリから必要性の判断をすることもあります。
 自分自身で間違いの意味に気がつき、次からの練習に生かせるだけの成長が見られる生徒。次につなげる意識と工夫を持つように成長を待つ生徒。そこに至る前の段階で間違いの理由が自分ではまだ見つけられず援助や指導が必要な生徒。
 さまざまな段階の生徒がいますが、成長過程に合わせて対応は異なります。
 能力が十分ありながらも意識がそこについてこない生徒には別のアプローチを試みることもあれば、注意をすることもあります。
 いま目の前にある課題を改善するだけならば、これはどちらかといえばたやすいことで、できるまでとことん教え込み、時には授業を延長してでも取り組ませればできるようになります。風邪をひけば、症状を抑える薬を処方するようなものでしょうか。
 これはこれで必要なことですが、しかしもっと大切なことは、風邪を引かない体を造ることです。間違いそうになったり、よく引っかかる落とし穴の直前にさしかかったらきちんと反応するセンサーを身につけることです。言われるがままに操作をしているだけでは、このセンサーを磨くことはできません。
 急がば回れ、とはよくぞいったものです。
 指導の中でどれだけの『気づき』を生徒の皆さんが獲得できるか。
 生徒は日々成長しています。昨日までの『気づき』が今日はすでに古くなり、次の成長には新たな『気づき』が必要です。追いかけて、追いつきそうになったら、またその先にゴールが移動していく。生徒の成長に合わせて私たちの指導にもゴールはありません。
○3か月間行ってきました算数教室では、学校でいま習っているところは一旦さておき、文章題を解くにあたって必要な基本的事項の学習と、それらを使って自力で解に向かう具体的な道筋造りの経験を積むことに取り組んできました。解き方を教えればすぐに済む問題ばかりですが、それだと解法を忘れてしまうと手も足も出なくなってしまいます。
 頭に入っている知識を最大限発揮するために必要な取り組む意欲の増進。
 教室ではありとあらゆる場面を通じて、この力を伸ばすべく取り組んでいます。
 誰かに何かを教えてもらう「学ぶ時間」よりも自分から学び取り解決をしていかなければならない時間のほうが何倍も長いのです。

2023.09.06

みらい検定本格実施(塾報6月号より)

 みらい検定は8月にそろばん、9月にあんざんの第一回検定試験が実施されます。申込書は7月中旬に配布します。

 みらい検定は従来の検定システムをベースに、より早期の上達を目指して考案された検定試験です。星の郷教室では今後従来からの検定とみらい検定を併用していく予定です。
 みらい検定では、レベル1で10級~7級、レベル2は6級~4級、レベル3は3級~1級を認定します。かけ算・わり算・みとり算の3種目をあわせて計時し、合計点数によって合格級が決定されますが、各種目に合格最低点が設定されているため、『作戦』を立てる必要があります。どの種目にどれだけ時間をかけるか、目標級をクリアするために何題を何分で処理するかといったプランは従来検定にはなかった取り組みで、ここがみらい検定の魅力でもあります。
 なお歴史と伝統がある日本商工会議所主催珠算1~3級能力検定、大阪珠算協会主催暗算検定も従来通り進めていきますので、実力と希望に合わせて柔軟な対応をしていきます。
(5月実施のみらい検定プレテストの結果は教室に表示をしております)

2023.09.06

みらい検定(塾報4月号より)

  今年度より新検定「珠算式暗算能力到達度検定(みらい検定)」が始まり、プレテストとして5月にそろばん、6月にあんざんの試験が行われます。プレテストは証書は発行されませんが無料で受験できます。

 みらい検定は従来からある1級までの検定試験とは合格システムが異なり、点数で合格級が決まる試験です。問題の種類はそろばん・あんざんともに3種類。レベル1では10級~7級、レベル2では6級~4級、レベル3では3級~1級が認定されます。かけ(暗)、わり(暗)算、みとり(暗)算それぞれが基準点を超え、かつ合計点が基準点を超えていれば「○級合格」、種目の基準点は超えていないものの3種目の合計点が基準点を超えていれば「準○級合格」となります。
 星の郷教室では4年前からみらい検定の問題を練習メニューに採り入れて有効性を確かめてきましたが、能力検定3級受験者の平均学習期間が採用後に何と1年も短縮され、その傾向は変わることがないことがわかりました。また同様の効果は他の教室においても顕著に表れていることから、一般社団法人大阪珠算協会は公式試験として採用することが決定したものです。
 今後は従来から行っている暗算検定の練習を通じて技術を高めることもできますし、みらい検定で暗算力をのばすこともできます。またそろばんの試験としては、「みらい検定→能力検定→段位試験」のルートと、「みらい検定→段位試験」というルートができました。
 5月のそろばんプレテスト、6月のあんざんプレテストは段位練習生以外は全員受験できますので、できるだけ受けましょう。ただし、グランプリ大阪大会出場者、6月3日の暗算検定受験者、6月25日の能力検定1~3級受験者はその時の練習内容や状況によって受験するかどうかを決定します。5月そろばんプレテストの日程は5月22日から27日です。27日に最も近い出席日の授業時間中に受験しましょう。申し込みは必要ありません。受験週間には毎時間、開始前に受験希望者を
確認します。

2023.09.05

人は間違えて当然(塾報2月号より)

○書いて覚える
 私が小中学生の頃、漢字は「とにかく書いて覚えよ」と学校の先生に教わりました。漢字練習帳に一つの漢字を10回書くという宿題が連日あって、課題をこなすためには理屈も何も考えずただひたすら書くことに目的と意識が集中していました。それでも反復練習の威力は結構あるのかして、必要な漢字はクラスの多くの生徒が覚えていったのでしょう。
 クラスメイトのAは、「旧」という漢字を10回書く宿題で、まず定規をもってきてマス目の左に「|」を続けて10マス書き、続いてマス目の中央に「|」を10マス、さらに右端に「|」を10マス、次にノートを横長に向きを変えて短めの「|」を一マスにつき3本書いて誰よりも早く仕上げて得意になっていました。下手な脅迫状のできあがりです。
 「10回書く」ことの意味を10回という回数に置くとAのようなことをする人間が出てきます。「覚えるまで書く」のが本来の目的なのでしょうが、一斉に指示を出すには全員に伝わるようなわかりやすさも重要なことから、10回という指定があったのでしょう。
 英単語も同様に「書いて覚える」ことを推奨する指導が多いようです。
○いろいろなタイプ
 では「かけ算九九」はどうでしょうか。また古典の名文の暗記はどうでしょう。
 この2つは書くことに最終目標があるわけではないので、「書いて覚える」よりも口に出して音で覚えたり意味で覚えたりする方法が多くとられています。
 被疑者の容姿を覚えて犯人逮捕に結びつける「見当たり捜査」も犯人の顔を描いて覚えるわけではないと思います。
 自転車の乗り方や自動車の運転、そろばんの計算も「何回も文字に書いて覚える」ものではありません。赤ん坊が色々なものを吸収するときに書いて覚えるのも見たことがありません。
 私たちは何かを覚えるために目的に合った方法をあまり意識することもなく区別して採用していますが、生徒の皆さんに教室で指導するときには少しばかり意識しなければならないポイントがあります。それは、どの感覚が強いかという特性を考慮して指導に当たることです。
 人間には視覚領域が優れているタイプ、聴覚領域が優れているタイプ、体感覚が優れているタイプの3つほどのタイプがあって、それぞれが理屈で覚えるタイプと理屈抜きで覚えるタイプに分かれています。また2つ以上の領域が覚える対象により補完的に作用しあって、効果を発揮する場合もあります。そこに年齢や発達による違い、モチベーションの濃淡も加わってきます。
 連合艦隊司令長官・山本五十六の言葉「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」には、視覚・聴覚・体感覚のすべてを網羅した指導とコーチングの要諦が見事にまとめられていてまさに至言です。
○多様性の尊重
 「書いて覚えよ」と指示する指導者は、自身がそうして覚えてきてうまくいったというほどのことであって、書くよりも目で見て形から入る方が向いている人もいれば、耳から入る情報のほうが理解が早いという人もいます。要するに、人はタイプがバラバラで、だからこそおもしろいのです。人は試行錯誤を繰り返す中で、特性に応じた学習法を自分自身で見つけ出していきます。
 そろばん教室では「視覚に訴えるか聴覚に働きかけるか、あるいは回数をこなして感覚を身につけていくか」を生徒との日々の関わりの中で私たちは一人ひとりに応じた指導方法を探っています。
○個別対応
 指導方法・指導レベルは完全な個別対応です。たとえば5の合成を利用する「2+3」の指導を考えても、言葉や図を示しての具体的な提示をともなう指導をするか既習事項を示してからの示唆にとどめるかはそれまでの生徒の進み方によって異なります。また指導をするにしても、その際に採用する説明方法や言葉は多種類あり、説明にかける時間も生徒によって区別します。少しだけ説明して生徒の反応を待ち、おそるおそるでも正しく指が動き始めるであろう感触を持てた時には、そこで説明を打ち切る場合もあります。
○経験を積む
 カリキュラムはあるものの、進度に期限を定めていない点が学校とそろばん教室との大きな違いです。ですから猛烈な早さで進む生徒がいるかと思えば、遅々として進まない生徒もいます。しかし、進みの遅い生徒はいつまでも遅いままではありません。強烈に伸びたいという意欲を持っていますが、その意欲をうまく表出することができなかったり、伸びたい意欲を打ち消してしまうほどのマイナスイメージをもっていたり、理解しているにもかかわらず自信のなさが意欲にふたをしてしまっている場合に進度が停滞気味になりますが、ある日突然パッと霧が晴れたように進み出すことを誰もが経験します。霧の濃さや霧の晴れ方に程度の差はありますが、その差は実はあまり重要ではなくて、大切なのは「霧が晴れた」という経験が蓄積されていくことです。
 何かに行き詰まって物事が進まず壁にぶち当たったとき、この「霧が晴れたように物事の道筋が見えた」という経験の多寡は生き抜く上でおそらくかなり重要なことだと思います。
 視覚・聴覚・体感覚。3つの感覚のうち、分野に応じて最も適している感覚を自分自身で知り、磨いていくことは、すなわち伸びる方法を自分で獲得していくことに他なりません。
 そろばんの練習を通じて生徒の皆さんは「伸び方・学び方」を身につけていって下さい。
 ご家庭でも子育てでうまくいかないとき、目・耳・体感覚へのアプローチの仕方を変えてみるのも有効ですよ。

 

ACCESS{アクセス}

教室名 星の郷総合教室
所在地 〒576-0022
大阪府交野市藤が尾4-6-10
電車の場合 JR片町線星田駅、または、京阪電車河内森駅から徒歩15分
自動車の場合 第二京阪道路交野南インターチェンジから5分、交野北インターチェンジから10分
国道168号線西川原交差点を西に入り、1分